iLiNPを使用した論文2報(PLGAナノ粒子の作製、粒子濃度が高い脂質ナノ粒子の作製)が公開されました。
(1) Preparation of size-tunable sub-200 nm PLGA-based nanoparticles with a wide size range using a microfluidic platform. PLoS ONE 17(8) : e0271050. (2022)
https://doi.org/10.1371/journal. pone.0271050
(オープンアクセス誌:誰でも閲覧可能です。)
iLiNPデバイスでPLGAナノ粒子を作製した論文になります。iLiNPデバイスを使えば原料溶液を流すだけでナノ粒子を得ることができ、更に送液条件を変えるだけで粒径をコントロールできます。
PLGAは薬剤送達のキャリアーとして利用可能であり、論文では一例としてパクリタキセル(PTX)を搭載したナノ粒子を作製し、HeLa細胞を用いたin vitroでの抗腫瘍効果を確認しています。この実験ではPTX搭載ナノ粒子の粒径が小さい方(平均52nm)が、粒径が大きい方(平均109nm)及びPTX単独よりも速やかに抗腫瘍効果を発揮することを示しています。
ライラックファーマではPLGAナノ粒子の作製も承っております。
(2) Microfluidic Device-Enabled Mass Production of Lipid-Based Nanoparticles for Applications in Nanomedicine and Cosmetics. ACS Appl. Nano Mater. 2022, 5, 6, 7867–7876
3インレット型のiLiNPデバイスで高濃度脂質溶液から脂質ナノ粒子を作製した論文になります。高濃度脂質溶液を使用すると通常は脂質ナノ粒子の粒径が大きくなりますが、iLiNPデバイスを使用することにより粒径増大を抑制しつつナノ粒子濃度(particles/mL)を上げることに成功しています。
脂質ナノ粒子の生産量を上げる方法として単位時間あたりの送液量を増やす方法が一般的ですが、送液ポンプなどの設備が大型化してコストが増える、後工程として濃縮操作が必要になる、などの課題があります。本論文のように高いナノ粒子濃度の脂質ナノ粒子懸濁液をiLiNPで得られるようになればこれら課題を解決することも可能です。
ライラックファーマではお客様のご要望に応じて3インレット型のiLiNPも提供できます(カスタム品扱いとして対応。)