iLiNPを使用した論文が公開されました。

A system that delivers an antioxidant to mitochondria for the treatment of drug-induced liver injury.
Scientific Reports volume 13, Article number: 6961 (2023)

コエンザイムQ10を搭載したミトコンドリア指向性脂質ナノ粒子(CoQ10-MITO-Porter)を創製し、アセトアミノフェンの過剰摂取による肝障害(APAP肝障害)に対する治療効果を検証した論文になります。
APAP肝障害は酸化ストレスの増大によって引き起こされるミトコンドリア関連疾患の一種であり、抗酸化作用があるCoQ10の投与はAPAP肝障害の予防又は治療において効果が期待されますが、ミトコンドリアにCoQ10を効率的に送達する方法がありませんでした。本論文ではミトコンドリア指向性を示す脂質ナノ粒子組成(MITO-Porter)を採用し、かつiLiNPデバイスを使用してMITO-Porterの粒径を約50nmに制御することで肝細胞への移行性を増やし、さらにCoQ10をMITO-Porterに搭載することでAPAP肝障害モデルマウスへの投与において治療効果を示唆する結果が得られました。