iLiNPが使用された論文のご紹介
Effects of phospholipid type and particle size on lipid nanoparticle distribution in vivo and in pancreatic islets.
J Control Release. 2024 Sep:373:917-928.
脂質ナノ粒子(LNP)は構成分子であるリン脂質の種類や組成比を変更することで肝臓以外の臓器(脾臓や肺など)への分布が改善されることが期待できます。本論文では膵臓のランゲルハンス島をターゲットにしたLNPの最適化を目指しLNPの成分と粒子サイズが体内での分布に与える影響を検討しました。30-160nmの粒径のLNP調製にiLiNPが使われています。
Cubic Phase-Inducible Zwitterionic Phospholipids Improve the Functional Delivery of mRNA
Adv. Sci. 2025, 2413016
カチオン性イオン化脂質を用いたLNPはmRNAなどを細胞質に送達するシステムとして臨床で使われていますが、LNPが細胞に取り込まれた後の「エンドソームからの脱出」効率が低いことが問題として残されています。本論文では天然型のリン脂質DOPEを改変した両性リン脂質DOPE-Cxを用いることでこの問題の解決に挑んでいます。本実験で用いたLNPの調製にiLiNPが使われています。