ナノ粒子医薬品・ワクチンのオンサイト製剤化

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1. 新たな製剤供給コンセプトとしてのオンサイト製剤化
ナノ粒子製剤 (ナノ粒子懸濁液) は不安定なものも多いため、製剤工場からの長距離輸送や倉庫での長期保存のためにナノ粒子懸濁液を冷蔵・冷凍したり、凍結乾燥して粉末化する必要があります。このようなコールドチェーン構築や高度な凍結乾燥プロセス導入は製剤コストを上昇させるだけでなく、発展途上国での製剤の普及を妨げるものになります。

そこで我々は新たな製剤供給コンセプトとして「マイクロ流路デバイスを用いたナノ粒子医薬品・ワクチンのオンサイト製剤化」を提唱しています。このコンセプトでは比較的安定な粒子原料を医療機関等に常備しておき、接種又は投与直前に「マイクロ流路デバイスを用いて」「オンサイト (その場) で」「簡便に」ナノ粒子製剤化することを目指しています。マイクロ流路デバイスの使用を前提としているのはその方がナノ粒子の製造再現性が高くオンサイト製剤化において品質のばらつきを抑えられる可能性が高いためです。

ちなみに脂質ナノ粒子の場合においてオンサイト製剤時に使用されるエタノールは、医薬品の残留溶媒ガイドラインによればクラス3 (低毒性) に分類されており、従ってガイドラインや既知の安全性情報を考慮しつつ投与方法や用量を工夫することでエタノール除去プロセスを省略しても安全な製剤の提供が可能と考えられます。なおエタノールを含むナノ粒子ワクチン組成でもワクチンとしての効果は十分に保持されうることをマウス実験にて明らかにしています (特願2023-025886)。また送液ライン全てを滅菌済シングルユース品で構成可能なオンサイト少量製剤用装置の試作も行いユーザーヒアリングを開始しております。

オンサイト製剤装置の操作(前半)

オンサイト製剤装置の操作(後半)

 

2. 少量多品種の「テーラーメイド製剤」製造手段としてのオンサイト製剤化
マイクロ流路デバイスは高価な医薬原体を用いた少量のナノ粒子製剤化や、個別化医療において患者ごとに異なるナノ粒子製剤を少量多品種作り分ける「テーラーメイド製剤」にも適していると考えられます。このような使い方においては工場での大量生産設備は過剰となり、代わりに医療機関の調剤部等におけるオンサイト製剤化が主流になると予想されます。弊社は次世代の製剤トレンドに目を向けて基盤技術の蓄積を行っております。

 

以上の取り組みにつきまして、ご興味をお持ちの方はお気軽に弊社までお問い合わせください。

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