iLiNPが使用された論文のご紹介

Engineering branched ionizable lipid for hepatic delivery of clustered regularly interspaced short palindromic repeat-Cas9 ribonucleoproteins
iScience. 2024 Sep 11;27(10):110928.
LNPを用いてCRISPR/Casリボヌクレオタンパク質(RNP)を肝臓に送達するのに最適な脂質分子の探索を行った論文です。分子構造の最適化の結果、マウスへの単回投与において標的となるトランスサイレチンタンパク質が98%以上減少するとともに明らかな毒性は認められない優れたLNPが創出されました。このLNPの作製にiLiNPが使われました。

Lipid nanoparticle delivery of the CRISPR/Cas9 system directly into the mitochondria of cells carrying m.7778G>T mutation in MtDNA (mt-Atp8)
Sci Rep. 2025 Jun 19;15:18717
ミトコンドリアDNA(mtDNA)の変異は様々な疾患と関連しており、ミトコンドリアを標的とした遺伝子治療は有効な治療法となる可能性があります。本論文ではリポソーム型ナノ粒子(MITO-Porter)でCRISPR/Cas9システムをミトコンドリア内に送達しmtDNAの特異的切断に成功しています。本実験で使用されたMITO-Porterの調製にiLiNPが使用されました。

Examining the Impact of Storage Conditions on the Stability of a Liquid Formulation of mRNA-Loaded Lipid Nanoparticles
Pharmaceutics. 2025 Sep 14;17(9):1194.
mRNA内包LNPの保存安定性向上に必要な製剤特性を特定することを目的とした論文です。LNPを4℃または25℃で保存しpHと温度がLNPに及ぼす影響を調査した結果、25℃では緩衝液のpH低下が起こり脂質分子のエステル結合の加水分解を促進すること、及び脂質分子の構造の違いによって保存温度ごとにpH変化への応答性が異なることがわかりました。この実験で使用されたLNPはガラス製のiLiNPデバイスにより調製されました。